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“自分を知らない”ことが、行動の壁になる

  • dyamamoto29
  • 5月30日
  • 読了時間: 2分

インドの喧騒の中、ひとりの研修生が現地企業とのプロジェクトミーティングを終えて、うつむきながら会場を後にした。


何も言えなかった。反論もできなかった。判断を求められても、黙ってうなずくしかなかった。


研修が始まる前、彼は「自分はリーダーシップに自信がある」と言っていた。英語も堪能で、論理的に物事を整理する力もある。にもかかわらず、その場ではまるで動けなくなってしまった。


■ 行動を止めていたのは、スキル不足ではなかった


夜の振り返りセッションで、彼は静かに言った。

「実は、“完璧じゃない自分”を見せるのが怖かったんです」

この一言に、彼の行動が止まった理由が詰まっていた。


「正しい判断をしないといけない」「頼られる存在でなければならない」そんな無意識の思い込みが、自分自身を縛っていたのだ。


■ 自己認識の欠如は、行動の妨げになる


行動が止まるとき、多くは「やり方」が分からないからではなく、「感情」や「思考の癖」によるブレーキがある。


たとえば、

  • 間違えるのが怖い

  • 弱く見られたくない

  • 期待に応えなければならない


これらの“自分の前提”に気づけていないと、スキルがあっても行動にはつながらない。


■ 「なぜそう感じたのか?」から変化が始まる


私たちの研修では、こうした無意識のブレーキを言語化するプロセスに時間をかける。


なぜ自分はあのとき動けなかったのか?何が引っかかっていたのか?どんな自分を守ろうとしていたのか?


それに気づくことが、行動を変えるための第一歩になる。


■ 気づきがもたらす行動の変化


彼は、自分が「完璧でなければいけない」と思い込んでいたことに気づいたあと、こう言った。

「完璧じゃなくても、自分の言葉で伝えた方が、むしろチームにとっては安心だったかもしれない」

次の機会では勇気を出して、拙くても自分の考えを口にした。結果として、チームメンバーとの関係が変わり、プロジェクトも前に進んだ。


スキルは同じでも、「自分を知ったこと」で選ぶ行動が変わったのだ。


■ 自分を知らずに、成長はできない


どんなに優れた能力があっても、「自分がどんな思考や感情に左右されるのか」を知らなければ、発揮されないまま終わってしまう。


だからこそ、私たちの研修では“自分を知る”時間を大切にしている。それは、行動の幅を広げ、人生そのものを主体的に選ぶ力につながっていくから。


次回は、インドで「自分の弱さ」に直面したある研修生が、どうやってそこから回復し、自信を取り戻していったかを紹介します。

 
 
 

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