スキルではなく「在り方」に向き合う研修設計とは
- dyamamoto29
- 2025年5月26日
- 読了時間: 3分
「自分の中に、“人に頼れない”という前提があったことに気づきました」
これは、インドでの企業研修に参加したある若手社員の言葉です。現地のチームとプロジェクトを進める中で、自分ひとりで抱え込もうとして動けなくなり、ようやく周囲に助けを求めたときに出てきた言葉でした。
彼は決してスキルが不足していたわけではありません。英語も堪能で、論理的な資料作成もできる。ですが、“行動できなかった”のです。
そこには、「どう行動するか」ではなく、「どう在るか」が問われる壁がありました。
■ 研修で“在り方”が問われるとはどういうことか
私たちが実施しているインド研修は、「知識を教える」「正解を出す」ことを目的にしていません。正解がない問いに向き合い、自分の感情・思考・行動をメタ的に見つめ、そこにある“自分らしさ”や“無意識の癖”に気づく設計になっています。
それは、ときに「自分の弱さ」や「ずっと見ないようにしていた部分」と向き合うことでもあります。
たとえば、
周囲からよく見られたいという“過剰な期待への適応”
完璧であろうとするあまり、リスクを取れなくなる思考
「自分はできる側だ」というプライドが崩れる瞬間
こうした「在り方の揺らぎ」が、インドという不確実性に満ちた環境であらわになっていくのです。
■ スキルだけでは“越えられない壁”がある
もちろん、ビジネススキルは重要です。英語力、論理的思考、報連相、交渉術——それらはどれも大切な要素です。
でも実際の現場で研修生がぶつかるのは、「相手と価値観が合わない」「話が通じない」「自分の感情が邪魔して動けない」といった、“スキルでは処理しきれない人間の根っこの部分”です。
だからこそ、私たちの研修では「どんな自分でそこに立つのか」「その在り方が結果をどう左右するのか」を問い続ける時間を、あえて設計の中に入れています。
■ 「在り方」が変わると、行動が変わる
冒頭の彼は、最終日にこう語っていました。
「頼ること=甘えだと思っていた。でも今は、頼ることはチームに対する信頼であり、自分の弱さを受け入れた証だと思えるようになった」
この“認知の転換”が、翌日からの行動を明確に変えていきました。結果、彼はチームのハブとなり、プロジェクトの流れが加速しました。スキルはそのままでも、“在り方”が変われば、出る結果が変わるのです。
■ 自分を知ることは、組織を強くすることにつながる
自己認識やメンタルの土台は、個人の問題だけではなく、組織の中で“どんな人材が根を張っていけるか”という視点にもつながります。
だからこそ、今あらためて「在り方」を問う研修が求められていると感じています。
次回は、研修中に「感情的な壁にぶつかった」ある参加者が、どのようにその感情と向き合い、言語化していったかを紹介します。



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